EC Booser 導入事例食品・スイーツ

新規集客数4倍、会員登録数18倍!コロナ禍を追い風に変えた京老舗「永楽屋」の取り組み

永楽屋」は、1946年以来、京都を拠点にして京佃煮・京菓子などを販売しています。こだわり抜いた製法と洗練された職人の手から生まれた商品は、テレビ東京のドラマに取り上げられ、また日本経済新聞『何でもランキング』にてグランプリを受賞するなど、各所より高い評価を受けています。今回、EC Boosterのご導入について、代表取締役社長の齋田様にお話を伺いました。時代が変わっても愛され続ける商品には、ある「変わらない想い」が込められていました。

京都の老舗 永楽屋。オンラインショップを立ち上げるまで

──まずは、永楽屋さんについて教えてください。

当店は1946年に創業した京佃煮・京菓子を扱う京都の老舗店です。自社オンラインショップは2007年に設立しました。創業当初より厳選した素材と製法から生まれたこだわりの品々をご提供し、お客様の幸せと京の食文化を創るべく誠実に努めています。

── 齋田様が永楽屋を継がれた時間軸について教えてください。

まず、16年程前に商品作りに携わるところからスタートしました。その後、事務や東京での営業を経験し、京都に帰ったあと、2005年に役員になりました。そして、2007年に社長として永楽屋を継ぎ、同時期にオンラインショップも設立しました。

── まずは商品作りからスタートされたんですね。オンラインショップはどういった体制で運営されていますか?

私を含む何人かで役割を分担して運営しています。サイトや広告の運営は、基本的に私が担当しています。また、SNS発信や商品の受注・発送などは他のメンバーが担っています。

── 複数人で運営されているんですね。ちなみに、オンラインショップを立ち上げた当初はどのようなサービスでサイトを構築されていたのですか?

当初はパッケージソフトを利用したり、デザイナーの方にサイト制作をお願いしたりして、オンラインショップを運営していました。しかし、当初利用していたサービスのサポートが終了していまい、代替サービスを探していたところ、futureshopさんに出会いました。

Google広告の活用で新規流入増加!アクセス数4倍に成長

── EC Boosterをご導入いただいた経緯について教えてください。
※EC BoosterはEC向けのGoogle 広告を自動で運用するサービスです。

futureshopさんの紹介です。過去にGoogleのリスティング広告を自分で運用していたのですが、その際、どのキーワードを設定すれば良いのかわかりませんでした。また、Googleの管理画面はとにかく複雑で、Google公式ヘルプを読んでもわからないことが多々ありました。その経験から、広告周りはプロの方にお任せしようと思い、EC Boosterを導入しました。EC Boosterは、複雑な設定が必要ありません。完全自動で広告運用してくれるので、Google広告に苦手意識があった私でも難なく利用することができ、非常に助かっています。

── ありがとうございます!EC Boosterの導入効果について伺ってもよろしいですか?

2020年9月にオンラインショップをfutureshopさんでリニューアルをして、同年11月からEC Boosterを導入しました。導入以前のアクセス数は5,000/月間くらいでしたが、導入直後からアクセス数が6,500/月間 程度まで伸び、新規のお客様への認知度アップに効果的だと実感しました。

── EC Boosterを導入してすぐに効果をご実感されたのですね。

そうですね。繁忙期のみEC Boosterを利用するつもりでしたが、その後もROASや売上が伸びたので、12月、1月と継続して利用することにしました。

── 広告成果はいかがでしょうか?

その後、一年を通してアクセス数が10,000〜20,000/月間 程度まで伸び、現在は10,000/月間 は必ず超えるようになりました。ROASは一年を通して466%くらいで、広告成果は良いと感じています。

── アクセス数が最大で4倍になったのですね。少しでも集客に貢献できているようで良かったです。EC Boosterで満足されている点についても教えていただけますか。

Googleの機能や仕様変更にスピーディに対応していただける点や、難しい設定などを一貫してやっていただける点です。おかげさまで非常に助かってます。

また、EC Boosterのおかげで広告運用が自動化できたため、勉強する時間ができました。EC Boosterで広告運用を自動化していただいたことで、本来自分たちがやるべきことに集中して取り組むことができています。

── ありがとうございます!逆に改善して欲しい点はありますか?

特にないですね(笑)期待を込めて言うなら、今後も費用対効果の高い媒体に次々と対応していっていただければなと思います。

── EC BoosterでGoogle ショッピング広告の他にGoogle 動的検索広告(DSA)やP-MAXなど複数の広告メニューをご利用いただいてますが、どのような背景でご導入いただいたのですか?

それはもちろん担当者さんへの信頼ですね(笑)EC Boosterに対して信頼があったので、提案があった時にすぐに導入しました。

── 信頼一択ですか(笑)ありがとうございます!また、プロプランについてはいかがでしょうか。

プロプランは定額制なので、広告費用を増やすほどコストパフォーマンス良くEC Boosterを利用できるようになると伺っています。最近、Google 動的検索広告やP-MAXを導入したこともあり、広告予算の増額を検討しているため、プロプランのメリットをより実感できるようになるのではないかと考えています。

会員登録数18倍!実店舗との連動性を高める「オムニチャネル化」

── ショップを運営していく中で、大変だったことはありますか?

コロナ禍で外出する人が減ったことです。おかげで実店舗に足を運ぶ人が減ってしまい、非常に苦しい状況でした。しかし、逆に根本的に考え方を変えるチャンスだとも感じ、これまで着手してこなかったような施策に取り組みました。

── そうなんですね!具体的にどのような取り組みをされたのですか?

一番大きな取り組みは、実店舗との連動性を高めるオムニチャネル化です。2021年の10月にfutureshopさんとの契約を「futureshop omni-channel」に切り替えました。
※オムニチャネル化とは、実店舗やECサイトなどの会員情報やポイント情報を一元化し、あらゆる購買体験を統合する仕組みのこと。

元々先代から、「特定のお客様に対して値引きをするのは御法度」という教えがあったため、会員制度などでお客様の区別をすることはよくないことだと考えていました。

しかし、コロナ禍では、お客様との結びつきが話題になった時期でもあり、若い世代の方に弊社の商品を知っていただくことに対しても課題を感じていましたので、オムニチャネル化に着手することにしました。

── 先代の教えとは異なる取り組みを始めたということでしょうか。

はい。また、オムニチャネル化に伴い、会員様向けにアンケートも実施しました。ありがたいことに、アンケートを実施すれば毎回多くのお客様に回答していただけるので、お客様のリアルな声を聞いて、商品開発に活用しています。

オム二チャネル化により、会員数が1,000人から18,000人に増え、新規会員増加に繋がりました。またリピート率も3〜4割程度上昇しました。

──オム二チャネル化によって会員数が18倍になったんですね!

「逆風」を「追い風」に。コロナ禍は運営体制を見直すきっかけに

── オムニチャネル化以外にコロナ禍で取り組まれた施策はありますか?

個人に委ねられていた業務や管理を全社内で共有し、平準化する仕組みを作りました。

これまで在庫や販売数の管理などは個人に委ねられていたため、どの商品がどのくらい売れたのかを把握するのに多くの時間がかかっていました。しかし、在庫や販売数の管理を全社内で共有する仕組みを作ることによって、生産業務の効率化が実現し、商品ロスや利益率の改善に繋がりました。

── 永楽屋さんにとって、コロナ禍は運営の土台を改善していくきっかけになった、ということですね

そうですね。コロナ禍では、街に人出がなくなり、非常に苦しかったです。SNSで繋がっている同業の方達も嘆いているし、今は自分だけではなくて、皆大変な状況にあるんだということを認識しました。

ただ「ピンチはチャンスを連れてくる」とも言いますし、「逆風」のなかで、業務の平準化や仕組みづくりなど今できることを一つ一つ積み上げていきました。結果、コロナ禍は永楽屋にとって、これまでの運営体制を見直し、経営の土台を改善していくきっかけになったので、経営的には「追い風」になりました。

「琥珀 レモンの雫」コロナ禍、緊急事態宣言が解除された時に発売を開始しました。

「変わらず、変わり続けること」コロナ禍の逆境を乗り越えられたワケ

── ところで、先代の教えとは異なる施策に取り組むことに抵抗はなかったですか?

当初はありました。しかし、会社の「変わらず、変わり続ける」という理念がありますからね。「変わらず大事にするものがあるからこそ、変えるべきところは変えなくてはいけない」という考え方です。

── 大事なものというのは、お客様やものづくりへの「誠実さ」といった部分でしょうか

その通りです。商品の製法などは「誠実さ」を持って変えない部分なのですが、システムや管理方法などのバックオフィスの体制は積極的に改善に取り組んでいます。

また、美味しさも時代と共に変わります。常にお客様に「美味しい商品」を提供し続けるためには味付けなども変えていかなくてはいけないと思っています。

「琥珀 柚子」2016年のG7伊勢志摩サミットで用いられた三木啓樂さん作の漆器と。

このような「不易流行」という考え方が根底にあるので、お客様とのコミュニケーションの取り方であったり、経営体制を見直すといった点に関しては、先代の教えとは異なりますが、時代に即した形に変えていけるように改善に取り組むようにしました。

── そうなのですね。色々と繋がってきました。

京都から世界を目指した「ものづくり」を

── 最後に永楽屋として今後注力していきたいことや、取り組まれていることについて教えてください。

琥珀柚子がドラマになり※1、翌年には日経新聞でも琥珀柚子が全国1位となりました※2今後は、「世界を目指したものづくり」をしていきたいと思っています。
※1 テレビ東京『先生のおとりよせ』にて「琥珀柚子」をご紹介いただきました
※2日本経済新聞『何でもランキング』にて琥珀 柚子が1位に選ばれました

── 素晴らしい目標ですね!

そのために、商品のコンセプトや私たちが提供している価値を磨いていきたいと考えています。

例えば、商品に関しては、「食べる物」を提供しているのではなく、その香りや食感を含めた「体験」によって、リピートしていただける理由があると思いますし、実店舗でいうと、場所や空間を提供するという意味もあります。なぜ自分たちが提供している商品や場所が選ばれるのか、その中で自分たちが提供しなくてはいけない価値は何なのかを見直し、磨き上げ、世界を目指した新しい時代の商品作りをしていきたいと思っています。

── 提供価値を見直し、世界を目指す取り組みをされていくのですね。永楽屋さんの今後のご発展が益々楽しみになりました!EC Boosterも貢献できるように頑張っていきます!本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

京都市内で行われる祇園祭の後祭巡行時、鯉山と永楽屋本店を背景に撮影

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