「プリン研究所」は、こだわりの高級プリンを完全受注製造で販売しているECサイトです。今回は、未経験の状態からECサイト運営を行ってこられた北村佑介様へのインタビューを行いました。
「普通のプリン屋がやってないことをしたい」研究者気質な北村様が極限までこだわりぬいた唯一無二のプリンとは
──「プリン研究所」に込められた思いについて、まずはお聞かせください。
「プリン研究所」は、高級プリンを専門に販売しているECサイトです。材料選びから製造、販売まで、自身でこだわりぬいた商品を扱っています。
今でこそ「プリン研究所」としてプリンを中心に製造していますが、実は最初から「プリンを極めよう!」と決めていたのではなく、もともとはケーキを作るパティシエとしての独立を目指していました。実家がケーキ屋を営んでいたので、その影響が大きかったですね。
実際、10年以上現場でお菓子作りに携わっていたのですが、その中で「小麦アレルギーである」という衝撃の事実が発覚してしまいました。ケーキは作り続けられなくなってしまいましたが、それでもこれまで勉強してきたことを活かせるような仕事をしたいという思いだけは強く持ち続けていました。
そこで、「小麦を使用しないデザートを作ろう!」と辿り着いたのがプリンでした。とはいえ、いきなり実店舗を運営する余裕はなかったので、実家の厨房を借りてECサイト上でプリン専門店を作ることにしました。この時点でECサイトを運営した経験は一切なかったので、開業前にインターネットビジネススクールに通い、その後2014年に「プリン研究所」を立ち上げました。
「プリン研究所」という店名は、私のプリンやお店にかける思いから名付けられたものです。
私には昔から研究者気質なところがあり、やると決めたら最後までとことん突き詰めるタイプでした。ラテアートに魅了されてバリスタの勉強をしていた時には、イタリアのコーヒー店をひたすら飲み歩き、ジャパンバリスタチャンピオンシップに出場するまで突き詰めたこともあります。
プリンについても、やるからにはとことん研究したいと思っていました。そこで「研究所」という名前に、「普通のプリン屋がやっていないようなことをたくさん試していこう」という思いを込めたのです。
そして、この「研究」には、製造者である私だけでなく、お客様自身にも楽しんでいただきたいという思いも込めています。
そこで「プリン研究所」では、プリン自体だけでなくソースや梱包にも幅広い工夫を凝らし、お客様自身が好みのプリンをカスタマイズできるような設計を採用しています。
お客様にも同じ研究員として、もっとおいしいプリンを共に追求していけたならば、「プリン研究所」として理想的だと思います。
──「プリン研究所」といえば”超”高級抹茶プリンが特に有名ですが、このようなユニークな商品はどのようにして生まれたのでしょうか
プリン専門で売っていくには、自社商品を買っていただけるための理由を作らないといけないという思いがありました。そこで、まずは価格帯での差別化を考えたのです。
調べてみると、ネット上で販売しているプリンの相場はおよそ300円から400円ほどでした。安さでコンビニのプリンに勝つのは難しいので、当初私は相場よりやや高め(600円ほど)の価格帯を想定していました。
プリンは本当にシンプルなお菓子なので材料選びがとても重要です。特に抹茶プリンは、600円ほどで売るための材料ではなかなか満足のいく品を作ることができませんでした。
実は私自身もともとお菓子の抹茶味が苦手だったのですが、「一度高級な抹茶を使ってみたら見えるものも違うのかもしれない」と思い、思い切って日本一高級な抹茶を使って抹茶プリンを試作してみたのです(これも『研究』ですね)。すると、抹茶本来の味がこれまで食べてきたものとは段違いに濃く、さらには甘味と苦味の調和も素晴らしいものでした。
当時1キロ30万円もする最高級の抹茶を使うことに対して周囲からの反対の声もありましたが、ビジネススクールで「自社にしかない特徴を持つ商品は売れる」と教わったことを思い出し、”超”高級抹茶プリンが誕生しました。
商品の魅力を伝えることに注力しながら、新たな集客施策を追加の業務負担なく導入できた理由
──ECサイトを運営する中で特に気を付けていることはありますか。
まずプリンという商品自体にかなりのこだわりがあるので、そのこだわりをきちんとお客様に伝えるよう気を付けています。
お客様に商品を買っていただくには、商品の魅力や強み、自社ならではの特徴をECサイトの中に反映させ、お客様に伝えるための努力をしなくてはならないと思っています。具体的には、お客様に「なぜ高級なのか」を伝えられるように写真をたくさん使いつつ、説得力のあるページを作るようにしています。
また、「プリン研究所」は夫婦2人で運営しているため、クリスマスやホワイトデーなどの繁忙期には注文が殺到し、製造が追いつかなくなってしまうこともありました。そういう時は、あえて広告費を抑えることで夫婦2人だけでお店を回せるようにしています。
現在は徐々に製造できる量を増やしながら、一気にお店を大きくするための下準備をしている段階です。
──これまでご自身でECサイトを運営してきたということですが、苦労した点や課題に思っていた点などはありますか?
私は全く未経験の状態からいきなりECサイトを開業しました。初めは何もかも分からない状態で、周りにも相談できる人もおらず、ネットで調べたり問い合わせたりしていました。思い返すとかなり効率の悪いことをしていたなと思います。
オープン直後は「日本一高級な抹茶プリン」ということで、メディアにもたくさん取り上げていただいたのですが、その広告効果は一時的なもので、しばらくすると売上が落ちてきてしまいました。そこで、次なる一手として考えたのがECサイトの改善と広告運用でした。
商品ページの作成や商品画像、紹介文を考えることはなんとか一人でもできたのですが、広告運用など難しく細かい設定が必要な業務は専門家の方に教えていただきながらやっていました。
しかし、やはり広告運用は十分な専門知識がない分かなり難しく、あまり手をかけることができずにいました。
──EC Boosterの導入を決めた理由についてお聞かせください
広告出稿までのプロセスが簡単で細かい設定もいらず、気軽に挑戦できそうだったというのが大きな決め手です。「お店の将来のために広告運用にも取り組まねば」とは思いつつも、まだ私自身に「自社ECサイトに最も適した広告はどのようなものなのか」を判断できるほどの知識も経験もないので、ひたすら色々なものを試して相性の良いものを探していました。
EC Boosterともそのような試行錯誤の中で出会いました。「プリン研究所」では、プリンの製造や受注発送などの通常業務にもかなりの時間がかかってしまうため、運用に手間のかかる広告とは相性があまりよくありません。その点、EC Boosterは本当に手間がかからないので、試してみてよかったと思います。
──今回初めてGoogleショッピング広告を利用されたということですが、苦労されたことはありますか?
いいえ、導入から運用までかなりスムーズに行うことができています。新しい広告を始めるにあたって、広告運用にかける時間を増やす必要もなく、かつ成果も出せているというのは本当にすごいことだと思います!
導入当初は「いくらEC Boosterというツールを使うとはいえ、商品広告を運用するには自分の手でやらなければいけないこともそれなりに多いだろう」と思っていたのですが、実際は想像以上に丸ごとお任せできています。もう少し私も何か手をかけなくていいのかと心配になるくらいです(笑)
導入後4か月で目標達成!とどまることを知らない探求心の先にあるものとは。
──ご利用いただき、EC Boosterの効果についていかがでしょうか?
たった4か月で目標を達成できたことにとても驚いています。導入直後から広告費以上の売上をあげることはできていたのですが、私の目標数値はもっと高いものでした。
このことについてサポート窓口に相談したところ、「EC BoosterやGoogleショッピング広告は、3か月継続することで機械学習によって広告成果が改善されていくものです。その間の時間はECサイトの最適化に使ってみてはいかがでしょうか」というアドバイスをいただきました。
最初は半信半疑だったのですが、サポート窓口の提案通り待っていたところ、ちょうどその3か月後に目標数値を達成することができました!ECサイトに載せる情報を充実させたことも目標を達成できた要因の一つだと思います。
──たしかに、Googleショッピング広告はサイト内の商品情報が充実しているほど広告成果が出やすいので、商品説明や画像などにしっかり取り組んでいただいていることが成果につながっているようですね。
ありがとうございます。これからも機械学習を活用したさらなる成果改善が行われることを期待していますし、継続的に目標数値の達成を目指していきたいですね。
──今後のEC Boosterにご期待されている内容をお聞かせください
除外キーワードの設定など、簡単な設定はこちらの管理画面からできるようになってもいいかなと思います。今は、そのような簡単な設定もEC Booster側に相談し調整していただいており、本当に丸ごとお任せしてしまっている状況なので…。もう少し自分で手を動かせる部分もあっていいのではないでしょうか。
商品画像や商品タイトルについては、既にEC Boosterサービスサイトのコラムで有益な情報が掲載されています。今後もよりGoogleショッピング広告の効果を伸ばすためのサイト改善方法など、自分の手でやるべき点についてのアドバイスが書かれたコラムが充実するとありがたいですね。
──今後の貴社サイトにおける展望についてお聞かせください
実家の厨房を借りてプリンを製造している現在の形では、時間的な制約を大きく受けてしまいます。まずは1,2年後に自分たちの工房を構えることを目指していきたいですね。
まだ構想段階ではありますが、よく購入してくださるお客様を対象に、よりハイグレードなプリンを招待制のECサイト上で提案するのも面白そうだなと思っています。実店舗で、これまでとは全く違う新しいブランドを立ち上げるのも面白そうです。
いずれにせよ、これからも「研究者」として、今はまだ見つけられていない、もっとおいしいプリンの食べ方をお客様と共に探求していきたいと思っています。
そのためにも、まずは製造や広告運用にかかる時間をもっと減らしていく必要があります。EC Boosterに広告運用をお任せしている間に、私たちは今後さらにお店を大きくしていくためにやるべきことに尽力していきます。
──ありがとうございました。